糖内医局員コラム 第2回 福岡勇樹先生@ふくおか内科クリニック
当講座は1994年発足と比較的新しい講座ですが、現在秋田大学医学部附属病院に勤めている医師のみならず、頼りになるOBの先輩、ともに地域医療を支える関連病院の先生方やスタッフなど様々な方が所属しています。
本コラムではそんな方々の仕事や趣味、興味や活動などについて不定期に連載して、その魅力を紹介していければと思います。
今回は ふくおか内科クリニック 福岡 勇樹 先生にお願いしました。
福岡勇樹先生本文
「ふくおか内科クリニック」の福岡勇樹です。私は2020年10月まで大学で仕事をさせていただき、同年11月にクリニックを開院いたしました。医局の先生方をはじめ、関連医療機関でお世話になっている先生方のお陰で、開院3年目も無事に乗り切ることができました。この場をお借りして感謝を申し上げます。
さて、この度は医局OBとしてコラムを執筆する機会をいただきました。おそらくこのコラムを読んでくださる方々は、当医局に興味がある「研修医の先生」「医学生」だったり、糖尿病や内分泌で通院している患者さん、そして医局に関連する医療者の皆様ではないかな、と思っています。どういった方向けに何を書けば良いか迷いましたが、2つのテーマでお話させてもらうこととしました。
【進路を検討中の研修医・医学生の皆様へ】
私は2004年に自治医大を卒業した、臨床研修義務化の第一期生です。自治医大卒業後は地域医療の義務年限がありますので、通常の医局員ルートと比べますと少し回り道といいますか、やや外れたルートから入局をさせてもらった経緯でした。今は多様性という言葉が社会のキーワードになっておりますが、やや特殊な環境にいた自分においても、当医局はしっかりサポートしていただけました。入局を決めたときには嬉しさと同時に、医局人事や専門医ルートに一直線に乗れないことに不安を感じていたものですが、今振り返ると有難いほどの配慮をしていただいたなと感じています。皆様も今後、医師としての進路や専門を決めて、そしてその仕事を継続していくときには様々なライフイベントが関係していきます。家庭のこと・生活環境・過去の経緯・費用面・専門医優先・学位優先・臨床優先など、様々な都合が出てくると思います。そういったときも、当医局では教授の脇先生・現医局長の加藤先生をはじめ、優しい医局の先輩方が持続可能な働き方の相談に乗ってくれることでしょう。もちろん、専門医や学位を目指すにあたっての教育プログラムも充実しております。糖尿病・内分泌に興味があり、バランスの良い働き方をしたいと考えている方は、当医局は自信を持ってお勧めできます。私が言うのもおこがましく大変恐縮ですが、脇教授は大変聡明で人柄も素晴らしく、脇先生のもとで仕事ができる選択肢がある皆様を羨ましくもあります。決して後悔することはないのでは、と思いますので是非入局をご検討いただければ幸いです。
【自分の趣味と、開業準備のお話】
私の趣味のひとつにパソコンがあります。といいましても、プログラミングをしたりシステム構築をしたりとかそういうレベルでは全くないのですが、昔からパソコンを触ることが大好きでした。いきなり余談ですが、私は自治医大以外の医学部は受験しておらず、その他の志望校はすべて理工の情報学部関係でした。高校生の頃からパソコン関係の仕事に興味があったようです(昔すぎて記憶がやや曖昧ではありますが…)。当時はwindows95が出たばかりのインターネット黎明期で、私が住んでいた学生寮ではダイヤルアップ接続で速度は28kbpsくらいだった記憶があります(めちゃくちゃ遅いということです。1枚のjpeg画像が表示されるのに2分くらい時間がかかり、接続タイムアウトがざらでした)。そんな中、パソコンにやたら詳しい同期の友人がいて、彼にはたくさん技術を教わりました。インターネットの基本から始まり、一緒にhtmlでホームページを作ったり、自作パソコンのカスタマイズ方法や、トラブル全般の対処法などを教えてもらったりしました。ゲーム少年だった自分にとって、パソコンのことはとても楽しく、徹夜で触り続けた日も多かったです。動かしてはいけないシステムファイルを移動してみたり、押してはいけないボタンを押したり、興味本位で触り続け、何度パソコンを壊しかけたことでしょう…いじり回すことで、パソコンの仕組みを知ることができました。とにかくゲーム感覚でいろいろ覚えることができた学生時代でした。
そして時はたち、クリニックを開業することが現実的になった頃、こうして培ったパソコンの知識が大きく役立つときが来ました。開業の際には何度も何度も複数業者と打ち合わせをしていきますが、電子カルテ・医療機器メーカー・電話インターネット関係においては、パソコンの知識があったことで、話がスムーズに進むことを多く体験しました。ある程度専門用語を使って会話ができるので、話が早いのです。特に電子カルテの選定においては大きく役立ちました。私が決めた方法としては、数ある電子カルテの中から最終的に3つに絞ってデモをお願いして進めていきました。その際に、目に見えるデザインや操作性だけでなく、細かいスペック・他の機器とのシステム連携方法・トラブル時に自分でどれくらい対応できるかなど、ある程度知識がないと質問そのものが難しい可能性がある項目を確認することができました。パソコンが好きで良かったなと思った瞬間でした。現在の電子カルテは非常に動作が早く、カスタマイズも自分でやりたいようにどんどんできますので満足しています。ところで、大学病院の電子カルテはとにかく動作が遅くて辛かった思い出があります(機能的には大変優秀かと思いますが…)。今の電子カルテになって、実務速度は少なくとも3倍くらいは改善した感覚があります。大学病院の電子カルテはデータ量があまりにも大きいことや、連携ソフトが多すぎたりバージョンアップが頻繁だったりなんでしょうから、そこはやむを得ないのでしょう。シンプルイズベストだな、と思います。
【最後に】
思いのままに駄文を書いてしまい、大変失礼しました。私自身、まだまだ勉強が必要な若輩者ですので、今後も諸先生方のご指導をいただければ幸いに存じます。患者さんに優しく、寄り添った医療をモットーに頑張っていきたいと思います。最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございました。
令和6年4月
ふくおか内科クリニック 福岡勇樹